世界的企業にふさわしい大きくしっかりした理念や考え方
この本は、ご存知の方も多いと思いますが、かなり多くの方に読まれた本です。今の出光興産を一代で世界的な企業になるまでにした創業者と会社のストーリーです。
経営者、社員、創業を目指す人などそれぞれの立場で読むことができるので、それも売れた要因でしょうか。
今回の僕の感想として、やはり京セラの稲盛会長のように、この出光興産を創業した社長も、一代で世界的な会社にしていくことができたということは、それを支えていく根っこに、その世界的な企業にふさわしい大きくしっかりした理念や考え方があったからこそ世界的な会社になることができたんだと、改めて感じることができました。
今回の表題は、出光の創業者が日露戦争頃に神戸で学生だった頃、神戸商工会議所の会頭が講演で、
「商売は、とどのつまりは銭儲けである。この一言に尽きる。学者先生や教授先生は、商売というものにいろいろ理屈をつけて立派なことを申しておられるが、商人が考えるべきはただひとつ、利潤の追求である」
と言ったことに対しての創業者が否定した言葉です。
実際には、創業者以外の学生が言った言葉だったようですが。
世の中の人全部そんな考えでいたら、殺伐とした社会になること、商売は金儲けがすべてじゃない。といった感じで、創業者や学生たちがそのことに否定してから、以後「黄金の奴隷たるなかれ」という言葉が学生の間で流行って皆が言うようになり、そしてこの言葉が、生涯創業者の胸から消えることはなかった。
とありました。
このくだりだけでも、この出光の創業者の商売に対する理念や考え方の根本がしっかりしていたとわかります。
最後はその人間性と同じビジネスの質になる
また幼い頃、父親に「一生懸命に働くこと」「質素であること」「人にために尽くすこと」の三つを厳しく教え込まれた影響もあり、「勤勉」「質素」「人のために尽くす」を生涯貫いたとありました。
この本を読んでも思ったんですが、もし誰かにどんな商売から始めたらいいですか?と聞かれたらどのように答えるか考えることがあります。
今僕が思うには、結局どんな業界の商売で、どんなに小さな商売からスタートしても、最終的に到達するところは、その始める人の理念や考え方などの人間性と同じ質や規模になるんじゃないのかなと思っています。大きいことがいいことではなく、小さくても質の高い商売(従業員や働く仲間に信頼されていたり価値の高い商品を作っているなど)
だから、今できることから始めたらどうですかと言うだろうなと思ってます。
自分の欲望を満たすために始めても、自分の人間性以上の会社は作れないでしょうし、反対に欲望がなくても、その人の人間性が素晴らしく大きければいい会社や事業になってしまうのではないかと、特にこの本を読んで思います。
そして、経営者としては、人間性があり、スタッフやお客様に自分の人生観を共有してもらえるのかが必要になるのでしょうね。
僕もビジネスを進めながら、このような素晴らしい人達に少しでも追いつけるようにしていきたいと思いました。
今回のまとめ
この本の出光興産を創業した社長は、一代で世界的な会社にしていきました。
しかし、それは偶然ではなく、支えていく根っこに、その世界的な企業にふさわしい大きくしっかりした理念と考え方と素晴らしい人間性があったからこそ、世界的な会社になることができたんだと思います。
我々も、自分の人間性を日々磨いていく努力を続けていきたいですね。