カフェの不振要因例
今回は、前回紹介「カフェ経営の厳しい現実」した、知り合いの店長が辞めるまで働いていた古民家風カフェが、なぜ売上が落ちきているのかについて考えてみたいと思います。
そのカフェは、30年前に古民家を改装して始めた自家焙煎コーヒーのお店です。
当時は、まだ古民家風でオシャレなカフェも少なかったので、それなりに繁盛していましたし僕もよく通っていました。
しかし、30年経ってここ最近売り上げが落ちてきているとのことでした。
最近までその店長が働いていましたので、「なぜこのお店は売り上げが落ちてきているのか」についてよく二人で話をしていました。
その中でこのカフェが不振の要因を3つあげることができました。
①創業者が70代となり今のお客様も同じように歳を重ね高齢化してきている。
さらに高価格でフルサービスのカフェに若いお客様は来ないと思っている。
これは本当にそうでしょうか。最近は、ブルーボトルコーヒーのように1杯ごとハンドドリップで入れるカフェも増えてきて人気もあります。
また、昔ながらのカフェで手作りナポリタンを食べさせてくれるところなども、まだまだ若い人に人気があります。
②昔から変わらないコーヒー豆の焙煎方法と濃いコーヒーの味しかラインナップがなく、さらにこの地域はこの味が受けるといまだに思い込んでいるため、それが今の世代の消費者ニーズに合わなくなっている。
これは勉強不足な点があると思います。
常に今のコーヒー事情や今のお客様の好きな味を勉強していれば、例えばコーヒーが第三世代という豆の味を大切にする焙煎方法になってきている状況にも対応できていないと思います。
実行している人は、教室などを開き、常にお客様のニーズを勉強しています。
③カフェ飯に力を入れたいが、いまだに食事とコーヒーのどちらに力を入れるか中途半端になっている。
今の消費者が、コーヒーだけならスターバックスなどのチェーン店で、個人店には手作り飯やスイーツを期待しているのでカフェ飯に力を入れるという発想はわかります。
しかし、食事やケーキはいまだに工場から仕入しており、今人気の手作りパンケーキなどの手作りに力を入れているカフェには到底かなわなく、どっちつかずの状況になっています。
客観的に自分をみつめお客様の立場にたって考える
確かに、創業者は一代で6店舗まで増やしてきたことは素晴らしい功績です。
なかなか誰でも出来ることではないと思います。
しかもその素晴らしい経営をしてきた創業者であればこそ、自分の感覚や判断は正しいと思ってしまうこともよくわかります。
ただ、セブンイレブンの鈴木元会長も言っていたように、常に外から客観的に自分の考えをみつめ、お客様の立場にたって考えることができたなら、ここまでの不振に陥ることはなかったのかもしれません。
個人的にこのカフェは、僕の青春と言ってもいい大切なカフェなので1日も早い復活を望みます。
そして、今回の事例は、カフェの仕事だけではなくどんなビジネスにも共通する考え方だと思います。
常に市場やお客様の考え方は変わっていきます。
そのなかで常に新しいことにチャレンジする気持ちを忘れず、事業を続けていかなければいけないということは非常に大切なことだと感じますね。
今回のまとめ
いいモノや美味しいものは、受け入れられるのも早いですが、飽きられてしまうのも早いです。
今回不振のカフェ事例から、僕自身も勉強になりました。
常に謙虚に、お客様の立場に立って価値を提供しつづけなければ、カフェの継続的な利益が確保しにくいんだと、あらためて考えさせられました。